先生がかわいがってくださらないと、衛は満たされません・・・『蜜は夜よりかぎりなく』(崎谷はるひ)

恋は上手にあどけなく (角川ルビー文庫)シリーズの志澤と藍の後日譚を描いた表題と、シリーズのプロローグともいえる、若くして亡くなった藍の親族・衛(えい)の、孤独と福田への渇望で綴られた半生を描いた「逆理 -Paradox-」の短編2作が該当。他一篇収録。

「逆理 -Paradox-」

日本が高度経済成長時代後期の昭和四十年代――
著名な日本画家であり、偏屈な人嫌いで有名な父・清嵐とともに神奈川の片田舎で暮らしていた衛(えい)は、
若くして新宿に事務所を持つ画商の青年・福田と出会うことになる。


「若い人の夢を応援したい」という福田に、外の世界の美術や上流の社会に連れ出される衛。
それまで父からの抑圧で好きなことができない自分の境遇を呪っていた衛は、自分の絵についても真摯に向き合ってくれる福田とすごすうちに、いつか彼のものになりたいと思いはじめる。
そしてほどなくして福田から施される情愛。ふたりだけの籠の中で、幸せな日々は続くかと思われたが――


以前画像付きレビューした少年人形に非常に良く似た、BLなのに非常に男性向けに近い作品でした。
個人的には対になる作品という言葉がしっくりきます。


【互いに歪んだ愛】【主従関係】【性別受】【攻に父親を求める受】【愛することを知らない攻】


カップリング・・・若くして夢を諦めた青年画商×箱入りで厳しく育てられ外の世界を渇望する中学生
●傾向・・・そばにいるのに触れ合うことのない二人の感情。
●恋愛要素・・・あり。
●視点・・・受けの一人称。
●ラブシーン・・・大半&相当濃い目。道具を使うなど生々しい場面もあり。


☆一人称は「僕」
☆性格はおとなしくて攻めに従順
☆「〜だろ」「〜なのか」みたいな男言葉を使わない
☆身体は華奢
★周りから姫&女の子扱いされている
☆そういう扱いにそこまで抵抗がない
★女装なし
★小さいころから女として育てられている
★女体化なし
★妊娠・出産なし