「性的に消費する暴力」と、「暴力を受けたと不特定を括る暴力」は対価なのか？ - 続々・腐女子を「萌え」の対象にする、男の“暴力”に堪えられない！

人間モドキの産声 - 試作型思索と詩作  (cache)

私がつけたブクマコメントにご返事いただきました。

読む人がいるかどうかはわかりませんが、
これまでの流れはこんな感じです。

性的に消費する暴力と、暴力を受けたと不特定を括る暴力は対価なのか

私の立場から今回の経緯を簡単に説明するとこんな感じです。

男の腐女子萌えがキモい。死ねばいいのに。
↑馬鹿だからはてブでid:feather_angelなどの頭のいい人たちに叩かれる。
俺の意見に文句言うなカス共！そんなんだからペド創作への規制を願う人の気持ちもわかんねーんだよ！ペッ
「勝手なレッテルを貼る人々」と一括りにして、オタクを論じる事も、勝手なレッテルを張る行為ではありませんか？

こうやって見ると、
性的に消費する暴力と、
暴力を受けたと不特定を括る暴力は
対価であるかどうか以前に、
まったく別の方向を向いていることがわかりました。

イメージするなら、目隠しを外すのを忘れた人が
後ろから羽交い絞めにされている事に気付かずに
手当たり次第殴りかかっている感じでしょうか。

・・・と、ここまでであれば
私が勘違いで発狂しているだけで済むのですが
問題は次の部分です。

自分のトラウマに直撃したので言及します - 試作型思索と詩作

「傷付いた」と主張されて、傷付く人も居ます。
結局、主張や表現は常に誰かを傷つける可能性を秘めています。
極端に言えば、表現とは暴力です。
けれど、それで、あまりにも傷つけることに神経質になってしまったら、何も表現できません。
自分が以前書いた上記のエントリのコメント欄でも、「多少の傷つきくらいはお互い大目に見る社会」「誰かを傷つけているという罪の意識をそれぞれが過剰に感じない世の中」という言葉が出てきていますが、そうやって互いの表現を受け止めることに余裕のある世の中が表現には必要だと、今でも自分は思っています。

たしかに、性的に消費する暴力と、
暴力を受けたと不特定を括る暴力は
両方とも、何のいわれも無い相手に対する
侵略だと思います。

でも、この方の主張は口調こそ穏やかですが
「そんなことで文句を言われると
　無意識に暴力を振るう側が嫌な気分になるから
　暴力を受けていると感じている側は自粛しろ」
っていう意味に見えます。

無意識に暴力を振るう側と
暴力を受けていると感じている側の話であれば、
先ほどの「勝手なレッテルを張る行為」の話と
全く噛み合いません。

無意識であれ意識的であれ、
暴力を振るってくる人に対して
気付けよ！と訴えたり
せめて近寄らないでくれと主張することは
そんなにひどい事ですか？

暴力を受けていると感じている側が
暴力を振るっている側に対して
アクションを取ることすら
否定されなくてはいけませんか？

それは振るわれている暴力と
同列に扱われなくては
ならないことでしょうか？

あなたが加害者と同列に立たされるのは男だから？

人間モドキの産声 - 試作型思索と詩作

自分は、結局、自身が性別を持つ生き物として生まれてしまった事が許せないのかもしれません。
男としても、女としても、この世に生まれてしまいたくなかったのかもしれません。
機械であれば良かったとか、無性愛者であれば楽なのにとか、そんな事を考えていた事もありました。(実際に無性愛者である立場の人には失礼極まりない話ですが)

先方のエントリを見る限りでは、
「お前が男だから醜いんだと言ってくれ！」
という叫びが聞こえました。

「傷付いた」と言われて傷付いた人はどうすれば良いのだろう？ - 試作型思索と詩作

いつの間にか、自分は非道な加害者である醜い怪物のように言われ、被害者だと言う人達からよく分からないうちに拒絶されてしまうのだ。
マッチョとウィンプについての話なら、お互いへの共感という形がまだ説得力を持つのだが、男と女になってしまうと、そんなものは通用しない。
生物としての性別というどうにもならない違いが、壁となってその共感の説得力を簡単に打ち消してしまうのだ。
「あなたは私と違うのだから、そんな共感なんて嘘に決まってる！」
どうにもならない違いが互いのアイデンティティに根ざしているほど、その発言は重くのしかかる。
性別、世代、国籍、人種など、変えようの無い自分のアイデンティティを理由に拒絶されたら、どうすれば良いのだろう。