ソマリアの投石の公開処刑事件から、なぜ２ちゃんねるで女叩きが流行るのかを考えてみる
痛いニュース(ﾉ∀`):不倫の罪で23歳女性が投石の公開処刑→実際は民兵にレイプされた13歳の少女だった…ソマリア
ソマリア南部の港町、キスマーヨ(Kismayo)で、13歳の少女が
不倫したとして、27日、投石による公開処刑がおこなわれました。
投石による公開処刑は2年ぶりとなるもので、処刑された少女は
最初23歳と報道されましたが、これは現地のジャーナリストたちが少女の年格好から判断したものらしく、アムネスティ・インターナショナルらのその後の
調べで13歳だとわかったということです。
少女の名はアイシャ・イブラヒム・デュロウ(13歳)。公開処刑の場となったスタジアムには、
1000人以上の見物人が詰めかけました。見物人の見守るなかを石を投げたのは
イスラム系武装勢力アル・シャバブ(al-Shabab)の民兵50人とのことです。
何人かの見物人が少女を救おうと試みましたが、これに対し民兵が銃を発射、
それた弾により男の子ひとりが犠牲となりました。
アル・シャバブのスポークスマンは犠牲となった男の子の件については謝罪を表明、
銃撃した民兵を捜し出し、罰すると述べています。
http://chiquita.blog17.fc2.com/blog-entry-3748.html
はてなブックマークや痛いニュースにおける多くの意見によると、
この事件は発展途上国で起きた、
現代日本では考えられないほどの野蛮な事件であるということだそうです。
本当にそうでしょうか。
9年前の1999年、
元タレントの大阪府知事・横山ノック氏が
選挙活動の手伝いをしていた大学生に
無理矢理猥褻な行為を行った事件がありました。
当時、その猥褻行為を告発した大学生に対して、
テレビではたくさんの人から非難を浴びせられていました。
覚えている限りではこんな感じです。
（あえて詳しく調べる勇気ないので
間違っている部分があるかもしれません。）
「大学生のほうから誘ったのではないのか」
「密室で行われたことで証拠が無い、狂言ではないのか」
「本当に嫌だったなら抵抗できたはずだ」
「お金欲しさに告発したんだろう」
どうでしょうか。
ソマリアの事件と重なりませんか。
ほんの9年前のことです。
日本でもこのような吊るし上げの後悔処刑が
大々的に行われていました。
今も強姦罪や強制わいせつ罪は親告罪のままですし、
被害者に対しての偏見も9年の事件と
ほとんど変わっていないと思います。
「他の野蛮な国で起こった、日本では考えられない事件だ」
という言説を見るたびに、
私には「今の日本は女性にとって天国だろう？」
と言われているように感じます。
もちろん答えは全力でＮＯですが。
なぜ２ちゃんねるなどで女叩きが流行るのか？
私はイスラムの教えやソマリアの事情にも詳しくないですが、
今回の事件では大きく分けて
３つの力関係が働いていることはわかります。
ひとつは大人と子供（年齢差）の力関係。
つぎに男と女（性差）の力関係。
そして、支配者と被支配者（権力格差）の力関係です。
性犯罪、とりわけ男性から女性に対する事件の場合、
性差や年齢差などの体格差ばかりが問題視されるためか、
支配者と被支配者の力関係だけが見落とされがちです。
これは性犯罪が「男の本能」「性欲」などの言葉で
片付けられてしまう原因でもあると思います。
閑話休題。
なぜネットで彼らが女叩きに走るのかというのも、
年齢差や性差の力関係があるにもかかわらず
女性を自分の思い通りに支配できない、
すなわち支配者と被支配者（権力格差）の力関係を
手にすることができないもどかしさから
癇癪を起こしているのだと考えることができると思います。
そして相変わらず年齢差や性差の力関係が残っているために、
それまでは自覚しなくても許されていた問題や
そういった力関係を逆手に取った問題が現れているのだと思います。
