ペド創作への規制を願う人の気持ちを、男性ヲタが理解できないたったひとつの理由 - 続・腐女子を「萌え」の対象にする、男の“暴力”に堪えられない！

腐女子を「萌え」の対象にする、男の“暴力”に堪えられない！

誤読されているようなので補足で文章を書きます。

私は萌えが悪いとは一言も言っていないっすよー

↑の日記で私が主張した事項は以下の通りです。

同性に性的指向を持つ当事者でもないのに、自虐目的で「ホモ」という蔑称を使うのは侵略ではないのか
現実に同性に性的指向を持って生活している人に対して、「ホモ/百合萌え」のファンタジー妄想を押し付けることは失礼じゃないのか
「ぼくの考えた、理想の女の子オタク」像を用いて、やおいを愉しんでいる女性を「こういうものだ」と喧伝されることに腹が立つ
これらはオタクやワーキングプアに犯罪者予備軍やニート・フリーターというレッテル貼りをして総叩きする、メディアや上中流層・団塊の世代と同じじゃないのか

繰り返しますが、私は萌え自体が悪いなんて一言も言っていません。
妄想することを止めろとも言っていません。

ただ他人の記号を使って、自分の都合のいいようにレッテルを貼って、思うさま「萌え」のルールで遊び倒しているのにもかかわらず、それを堂々と見せつけるのは暴力じゃないの？ってことです。

見せ付けてるんじゃない！勝手に見てるんだろ！と思ったらダウト

こういうことを書くと、「勝手に見てるんじゃないか！」と思う人がいると思います。
というか、男性オタクさんにはかかなり多いと思います。

男ヲタと腐では非ヲタに対するネット防衛線が違うんじゃない？ - 続・なぜ腐女子は“サイトやブログで”即売会レポートをしないのか？

なんとなくですが、男ヲタさんの世界はネット内とネット以外で綺麗に分断されていると思うんです。というのも、ネットの中では男性のオタク趣味というものがマジョリティなんですよね。
ある程度認められているし、そもそも嗜好にしている人が多い。２ちゃんねるでも自虐はあれど叩かれることはほぼ無いんじゃないかと思います。
男性オタさんにとって、ネットの中で訪問してくる人というのは肯定する人である可能性が非常に高いんだと思います。
だからテレビでオタク特集があると、２ちゃんねるでは怒りの嵐が巻き起こり、ネットｖｓテレビという図式になるのだと思います。

以前に書いたもので文脈は違いますが。
結局、男性オタクさんにとってネットの世界というのは、男オタクだけの世界だという認識なんですね。
はてなブックマークや２ちゃんねるなんて、本当にいい例だと思います。
だから性的な暴言を平気で言い放てるし、その言葉に触れたときに傷つくであろう人がいるかもしれない、という想像ができないんだろうな、と改めて思いました。

ネットを利用する人はオタクだけじゃないです。
携帯からパソコンからゲーム機からテレビから、あなたと違う年代や性別の人も利用しています。

ペド創作への規制を願う人たちに、男性ヲタが歩み寄るためのたったふたつの方法

この問題は単にオタク内だけのものではなく、児童ポルノ法改悪の件にも関係していると思います。
子どもや子供をもつ保護者の方がネットを使って性的な言葉に触れてしまったとき、どう思うでしょうか。

いまちょうど話題になっているＢＬ図書を購入した趣旨や目的、またこれまでに購入した冊数及び購入費を教えてください:「市民の声」Ｑ＆Ａ　広報・広聴 - 堺市の問題と同じだと思います。
公費云々はともかく、性的な描写がメイン（しかも挿絵付き）のものを、誰でも閲覧できる場所（しかもティ−ンズコーナー）に堂々と置かれることに抵抗がある人は多いはずです。

遠まわしに言うと誤読する人が出てくるかもしれないので。
まず、インターネットは男性オタク以外にも使う人がいるんだということを認識すること。
そして、性的な言葉を使うときはブログやサイトであれば注意書きを添えることが必要だと思います。
（いちおうですが、ここで言っているのは性的な言葉に傷つく人に対してであって。統一教会関係者など宗教的な理由で規制を進めようとしている人に対してのアプローチのススメではありません。）

「オタクだからこそ女の子をまもります」宣言なんかにリンクを貼っているブログを見ると思います。
「御託はいいから検索除けしろよ！」って。守りますと言ったその女の子があなたの性的な言葉に触れてしまったらどうするの？それはただ言い逃れるための大義名分なの？って。

パロディにしたらこんなイメージになると思います。

　　オタクだからこそ女の子を守ります！
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ひょっとしてそれはギャグで言っているのか！？と。
このキャラの持っている包丁をそのまま男性の性器や性的な発言に見立てるとイメージしやすいと思います。

男性（オタク）にとってコミュニケーションツールである男性器や隠語も
その文化にかかわりのない人にとっては凶器であり、セクハラに見える場合があることを認識して欲しいと思います。

「ホモでサーセンwwwアッー！」と自虐するやおい好きのオタクに罪は無いのだろうか

前に男ヲタと腐では非ヲタに対するネット防衛線が違うんじゃない？ - 続・なぜ腐女子は“サイトやブログで”即売会レポートをしないのか？という文章を書きました。

私の知る限り、二次創作としてのやおいを好む人は少なからず検索避けをします。
それは、その対象や対象を好む他の人たちに対して「失礼だ」という自覚があるからだと思います。
特に当事者を対象にしたジャンルになるほど徹底しているのがいい証拠だと思います。

では、やおいオタクなら無罪なのでしょうか？
私の見解は“ＮＯ”です。

やおいオタクの「ホモですみません」は自虐じゃない

腐女子がイベントで買った同人誌のレポートを書かない理由 - バスタイム・レコード

男性向けの自分×女キャラより、
女性向けのキャラA×キャラBの方が捏造度が高くて、痛い。
これが恥ずかしさを生むんじゃないかと考えました。

「私はこのキャラを好き」と言った場合、それは一つの真実です。
でも「（キャラA）が（キャラB）に恋してる」だなんて頭おかしい。と思われる。
頭おかしいってわかっていながらそれでも萌えずにいられない自分の業の深さ。
恥ずかしい。

萌えが痛さの壁を超えたとき、麻痺して語っていられるだけ。
冷静になってみればこの恥ずかしさってほんと半端じゃないと思うんです。
それを誰が見るとも知れないところで買ったものリストとして晒すなんて。

ギャー！
無理！　無理！　ごめんなさい！
妄想しててごめんなさい。（キャラ名）と（キャラ名）が恋人同士ですみません。身長差好きですみません。

となるわけであります。

最後に、言うまでもなく一番の「申し訳ない」「恥ずかしい（恥ずべきこと）」は、原作者と一般ファンに対して、と付け加えておきます。

（強調は引用者による）この方がBLスキーかどうかはわかりませんが（多分そうだと思います）、はっきりわかるのはご本人が書いているとおり「原作者と一般ファン」に対してのみ負い目を感じている、ということです。

同性愛の記号を使って、自分の都合のいいように「やおい/BL」のレッテルを貼って、思うさま「萌え」のルールで遊び倒しているのにもかかわらず、
同性愛指向を持つ方への負い目については述べられていません。
この方だけではなく、私も含めて多くのBLオタクに共通する感覚だと思います。

ぶっちゃけると、多くのやおいスキーが原作者や一般ファンに負い目を感じているのは「同性愛をイメージしたもの」だからであり、
自分が申し訳ないというよりは「ホモですんませんｗ」なんですね。私の知っている限りかもしれませんが、本当にこうやって自虐のふりをして同性愛差別を助長する人が多いです（もちろん私もでした・・・すみません）。

これはいつか別の機会に語るかもしれませんが、申し訳ないというよりも叩かれるのが怖いんだとおもいます。だから自分よりも少数者をスケープゴートにするのだと思います。
要するに差別内差別の構造ですね。

閑話休題。もし、やおいが、やおいオタクだけの閉じられた空間でのみ語られるものであったら、それでもいいのかもしれません。
でも、実際には書店でナツほもという特集が組まれ、そしてニュースサイトである萌えプレさんがそれを取り上げることで多くの人の目にとまる。
おそらく、書店もニュースも目にするのはやおいオタクだけではないと思います。

しつこくなりますが、やおいオタクの多くは同性愛指向を持つ当事者ではなく、やおい自体もあくまで同性愛をモチーフにしたものです。
そして「ほも」という言葉は男性同性愛指向を持つ人に対する蔑称として使われています。

さて、それを笑いものとして使うやおいオタクは、果たして無罪なのでしょうか？*1