おとボク!

男の子牧場の朝は早い――


「おはよう、晋平さん」
「ああ、おはよう四郎」
男の子牧場で働く楠木晋平(くすのき しんぺい)は
今年で41になる未婚男性だ。
年の割には身体が引き締まっており
滅多に他人の悪口を言わないことで人気があるが、
彼には浮いた噂の一つも流れていない。


「どうだ、気分は悪くないか?」
今年で30半ばになる
男の子牧場のメンバー・四郎の
毛並みを整えながら、
晋平は優しく問いかける。


20年前、
株式会社はてなという悪の秘密結社のせいで
日本に邪悪なフェミニズムがまん延し、
この国はすっかり女尊男卑になってしまった。


かつて乳速と呼ばれ
男尊女卑の聖地だったこの場所も
邪悪なフェミたちの手によって
男の子牧場にされてしまった。


今や日本・・・いや、フェミにっぽん帝国では
男子は産まれてすぐ「牧場」に隔離され
キチガ・・・「女性様」に取男(めと)られる日を
待ち続けなくてはならないのだ。


「恥ずかしいだろう。ごめんな」
メンバーのミルクを絞ってやるのも晋平の仕事だ。
「いえ・・・すいません」
うつむきながら答える彼を見て、晋平は思う。
彼のような者が一番の被害者ではないかと。


20年前、当時の役人が
天下り先欲しさにエロゲ規制を大々的に行った。
たかだかレイプして中絶させるという内容程度で
怒り狂った邪悪なフェミたちも破壊の限りを尽くし、
表現の自由という
「人間」における最も大切なものを否定したのだ。


この国ではそれ以来 四郎のような若者たちが
自由に搾乳する権利を失ってしまった。


また、クローン技術と人工出産技術が
急激に発達した事で
「四次元最高。惨事の雄鶏(おんどり)とかゴミだろ」
という風潮になりつつある。


「ほら、いい男じゃないか」
晋平は四郎の肩を叩いていう。
四郎は喜んでいるようだ。


四郎にはまだ、男家(ヨメ)入りの話は来ていない。

次回予告 最終話「愛に時間を」

ついに農夫と家畜の垣根を越えて
心を通わせあった晋平と四郎であったが、
四郎に男家入りの赤紙が届いてしまう。


「晋さん おれ、やっぱり男家に行くよ。
 ・・・やっぱりそれが普通なんだしさ」
寂しげにうつむく四郎。
そんな彼を、晋平は優しく抱きしめた。
「お前のおかげでおれはずっと幸せだったよ。
 だからそのぶん もっと もっと
 幸せになれよ。四郎」


だがその一部始終を録画した動画ファイルが
四郎の男家ぎ先・神凪(かんなぎ)家に届けられてしまう。
縁談は取り消され、
相手からはこの恥知らず!と罵られる四郎。


そして2ちゃんねるのヵゎぃぃ速報などに
「ホモとヵ穢らゎしすぎ!産業廃棄物だろwww」
「産 棄 と ゎ 絶 対 に 結 婚 し な ぃ」
などのコミュが乱立。
四郎についてあること無いことが書き捨てられ、
中には破いた四郎の写真を公開する者まで現れる始末。


そういった行為に対し
ネット上で非難が集まるものの、
「家畜の裏切りに失望するのわ仕方ない」
「ぅちは汚物に騙された。被害者だ」
「悲しむ権利まで否定するな」
「やっぱ四次最高ぢゃねwww」
と正当化する声も大きい。


そんな中、連日の騒動に疲れた四郎が倒れてしまい・・・

言い訳

このブログはフィクション・創作であると
銘打ってありますが
同性愛に対し根拠すらない暴言を
何度も繰り返しております。
当事者の方に対し申し訳ありません。


自分が目にして辛かった
言葉の数々なので
拒否反応が多ければ
下げようと思っております。


今回「女性による非難のターゲット」に
「男性同士の同性愛」を選んだ理由は、
2ちゃんねるなどでよく見られる
「非男性に対する差別」
の順列に続く差別or女版が
「非異性愛者に対する差別」ではないか
と思ったからです。
(アッーとかウホッとか百合とかですね)


どれだけ言い訳を並べても
差別に乗っかっている表現であることに
変わりはないので
そこから目をそらさないようにしたいと思います。

言い訳2

途中で飽きました。